Choco Mori Ampの作り方

 まず、このヘッドフォンアンプを製作するにあたって、参考にしたのがChu Moyアンプです。Chu Moyさんが設計をしたOPAMP1つの簡単な非反転増幅回路です。参考にしたサイトは、HeadWizeさんのサイトです。

 ユニバーサル基板でChu Moyアンプの作例は数多くありますが、やはり部品のレイアウトや配線などのハードルがやや高いように思います。そして、その簡素化された回路を更に定数、部品点数などを吟味して初心者の方でも簡単に作れるように基板化しました。ケース以外のパーツをセットにしたキットを販売することにしました。

 OPAMP1つの簡単な回路ですが、シンプルが故にとても素直な音がでます。また、OPAMPもオーディオ用の高出力電流タイプの選別品を使用しています。高級なヘッドフォンアンプとまではいきませんが、「え? まじ?」とか「結構いい音するじゃん」などと思っていただけるように設計をしました。少しでも多くの方に半田付けをして作って、音が出たときの感動を味わっていただこうと思います。

2012年7月21はんだづけカフェ

「はんだづけをして、ヘッドフォンアンプを作ろう」ワークショップ

を開催しました。

 まずは必要な工具から。

 ニッパ、糸半田ですね。

 テスターも必要になりますので、用意しましょう。

 半田ごてと、半田ごて台、こて先クリーナも必要です。

 あと、ケースに入れられる方はドリルなどの穴開け加工用の工具、ドライバー、レンチなどが必要になります。

 まず、パーツ類がパーツ表の通りの物が揃っていることを確認してください。

 では、基板を取り出します。この基板1枚でヘッドフォンアンプが完成するものです。

 そして、順序ですが、背の低いパーツから半田付けをしていきます。

 まず、抵抗を取り出します。抵抗のリードを写真のように曲げます。工具はなくても指の腹で曲げることができます。
 抵抗の定数はカラーコードになっていますから、カラーコードを間違えないように定数を読みます。そして基板に書いてある定数のところに間違えないように差し込みます。
 半田ごてが暖まりましたら、リード線をパターンに半田付けしていきます。こて先をパターンに軽く当て、こて先に半田を少しくっつけるとはんだが溶け、パターンに流れ込みます。

 半田の量は写真くらいになるといいでしょう。

 半田付けをしたらリード線を写真のようにニッパで切ります。切ったリード線は使いませんので、金属ゴミとして処理をしてください。
 抵抗9本を全て半田付けし終えます。
 次に背の低いICソケットを半田付けします。このICソケットには向きがあります。赤丸の切りかきがある方向と、基板の切りかきがある方向を合わせます。
次に背の低い3.5φのジャックを半田付けします。
 次にLED(発光ダイオード)を半田付けしますが、これは極性があります。足の若干長いリードが「+」になります。

 また、基板をケースに入れケースにLEDを取り付けられる方は基板にLEDを半田付けせず、リード線で配線をします。

 LEDの「+」のリードがわからなくなってしまった場合などには、写真のようなLEDテスターを利用するとわかります。
 基板にLEDを半田付けし終わりました。
 ボリュームを半田付けする前に準備があります。このボリュームは熱に弱いので、ツマミを回して真ん中くらいの所にしておきます。
 同じくらいの背の高さの電解コンデンサを用意します。この電解コンデンサもlLEDと同様に極性があります。

 若干長いリードが「+」です。またマイナス側には写真のようにコンデンサにマイナスマークが入っていますので、間違えないように半田付けをします。

 細い電解コンデンサはリードを写真のように加工します。だいたい7.5mmくらいになるようにします。
 サンハヤトからでているリードベンダーを使うと簡単に曲げられますが、無くても大丈夫です。
 ボリュームと電解コンデンサの半田付けが終わりました。もう少しです、がんばりましょう。
 次にトグルSWを半田付けしますが、これもLED同様にケースに入れられる方は、基板に半田付けせずリード線で配線をしましょう。
 次に006P電池用のスナップを用意して、写真のようにリード線をよじります。

 直流なのだからよじらなくてもと思われる方もいらっしゃいますが、迷わずよじっておきましょう。

 リード線を基板の取り付け穴の横に空いているちょっと大きめの穴の下から通し、赤を「+」、黒を「−」の穴に半田付けします。
 半田付けだけですと、ちょっと引っ張られたときに半田付け箇所が断線してしまう可能性がありますので、インシュロックで写真のようにリード線をしっかりと縛ります。
 さて、いよいよ大詰めです。パーツに付け間違いが無いか、極性は合っているか、半田付け箇所は問題ないかを確かめて、電池を繋ぎます。

 この006P(9V)電池にも極性がありますので、写真のようにかみ合うようにします。

 さてチェックです。まだOPAMPは挿さない状態でトグルSWを「ON」の方向に倒します。

 どうでしょうか? LEDは青く光りましたでしょうか? LEDが光らない場合は、LEDの極性、電池の配線の極性などをもう一度確かめましょう。

 無事にLEDが点灯して焦げ臭いなどの事態が発生しなければ大丈夫でしょう。トグルSWをOFFの方向に倒します。

 それではOPAMPを準備します。黒いスポンジからOPAMPを外したところですが、写真のようにリードがハの字のように広がっています。

 このままですと、ICソケットに挿しにくいので、写真のような工具を使って足を挿しやすいように揃えます。工具がない場合は、机など平らなところで足をハの字からコの字になるように調整します。
 このOPAMPも極性があります。写真の赤丸の所に丸ぽっちがありますので、ここが1ピンです。1ピンマークといいます。写真の状態にしてICソケットの切りかきが左にくるようにしてICを挿します。
 OPAMPの向きは写真のようになります。間違っていませんね。では電源を入れてみましょう。
  ではヘッドフォンなどを繋ぐ前にチェックをしましょう。テスタを用意して、DCの2V程度を測定するレンジに合わせます。このときヘッドフォンアンプのボリュームは絞っておきます。

 基板の取り付け穴にGNDと書かれている穴にテスターリードの「黒」をあてて、3.5φのジャックのOUT側の「R」にテスターリードの「赤」を当てます。次に「L」にテスタリードの「赤」を当てます。

  リードをあてて0V、もしくは0.01〜0.04V位なら問題はありません。異常に高い電圧が出ているときは半田付けなどでどこかがショートしている可能性がありますので、もう一度みなおしてみましょう。
 さあ、完成です。ボリュームに近い方が入力ジャック、外側がヘッドフォンジャックですから、ここにiPodなどの機器を接続して音楽を楽しみましょう。

 OPAMPは附属のNJM4580DDで回路をチューニングしてありますので、他のOPAMPに交換した場合の動作は保証いたしません。

 写真のようなお菓子の缶かんに入れるときには、トグルSWとLEDを基板に半田付けせずに、リード線で配線をします。

 缶かんは金属製ですから、基板の下に絶縁シートをはりショートを防ぎます。また電池も動かないように、強力両面テープなどで固定します。

 写真の缶かんは、輸入食材店などで入手できるALTOIDSの缶かんです。

 持ち運びでも問題なく使用できますよ。

 最後にどうしても不明点などがありましたら、管理人宛にメールをください。

 まずは半田付け、部品、極性など間違いが無いかよく確かめてくださいね。